競馬で副業

競馬で副業は可能なのか?そのリアルと現実

現代の日本では「副業解禁」の流れが強まり、多くの人が本業のほかに収入源を持つことに関心を寄せています。その中で「競馬」を副業にできるのか?という問いは、ギャンブルという特性ゆえに慎重に扱われるべきテーマです。 結論から言えば、競馬を“副業”として成立させることは不可能ではないが、非常に高いハードルが存在します。それは単なる運任せのギャンブルとして競馬を捉えるか、統計・情報収集・資金管理を徹底した“投資的行動”として競馬に取り組むかで、まったく結果が異なるためです。

1. ギャンブルとしての競馬と副業の違い

まず最初に整理したいのは、「副業」とは本来、ある程度の再現性と継続性を持って、安定した収益を生む活動を指します。一方、競馬は多くの人にとって「娯楽」であり、「当たればラッキー」という側面が強く、再現性があるとは言い難いものです。 しかし、中には年間通してプラス収支を出している競馬ファンも存在します。彼らに共通しているのは以下のような特徴です: レース選定を絞り、手を広げすぎない 過去のレース傾向や馬場状態などのデータ分析を綿密に行っている 感情ではなくロジックに基づいて買い目を決めている 資金管理を徹底している(例:1レースにベットする金額を固定) こうした姿勢は、まさに「趣味の競馬」ではなく「副業としての競馬」のあり方に近いものだと言えるでしょう。

2. 実際に稼げるのか?期待値と現実

JRA(日本中央競馬会)における控除率(=主催者の取り分)は約25%前後です。これは、競馬における長期的な期待値がマイナスであることを意味しています。つまり、**“何も考えずに馬券を買い続ければ、理論上は損をする仕組み”**なのです。 逆に言えば、この控除率を超えるほどの的中率や回収率を出すためには、普通以上の知識と努力が必要ということ。専門家でも回収率が100%を超えるのは難しい中で、副業として“稼げる競馬”を実現するには、もはやプロレベルの情報分析力が求められます。

3. リスクは?副業として成立しにくい要因

競馬を副業とする上での最大のリスクは「再現性の低さ」です。仮にある月に10万円勝てても、翌月に15万円負けてしまえば意味がありません。 さらに、以下のような問題もあります: 精神的なプレッシャー:収益を出そうと焦ると賭け方が雑になる 本業への悪影響:土日にレースが集中するため、休日が潰れる 納税義務の難しさ:一時所得に該当し、申告や記録が複雑 また、副業として考える以上、「収益管理」「税務処理」「時間配分」といった一般的なビジネスの基本も求められます。趣味でやっていたときには気にならなかったことが、副業化すると一気に重くのしかかってくるのです。

4. どうしても競馬で稼ぎたい人へ:現実的なアプローチ

もしあなたがそれでも競馬で副収入を得たいと思うのであれば、以下のような方法をおすすめします。
方法①:予想サイトや情報ツールを活用する 最近では、AIや統計を活用した「競馬予想サービス」も増えており、一部には無料で提供されているものもあります。信頼できるサイトを選び、自分の予想と照らし合わせて活用すれば、回収率アップに貢献する可能性があります。

方法②:SNSやブログで競馬コンテンツを発信する 自分で馬券で稼ぐのではなく、「競馬が好き」という情熱を副収入に変える手段です。予想記事をブログに投稿してアフィリエイト収入を得たり、YouTubeやTikTokで情報発信して広告収益を得るというやり方も、実は多くの人が実践しています。

方法③:買い方を固定し、少額で検証を積み重ねる 副業=安定収入という意味では、いきなり大金を突っ込むのは禁物です。まずは「自分のロジックが有効かどうか」を少額で検証する段階を経て、年間を通じた回収率を確認してから本格化するのが鉄則です。

■ 1. 競馬の副業化が注目される理由

コロナ以降の副業ブーム 2020年のコロナ禍以降、多くの人が在宅勤務や収入不安に直面し、「副業」に興味を持ち始めました。その中で、リスクはありつつも手軽に始められるギャンブル系の副業──特に競馬は、スマホとネット環境さえあれば参戦できるため、Z世代を中心に静かなブームとなっています。


JRAの市場規模と参加者の多さ JRA(日本中央競馬会)の売上は、年間3兆円規模。ネット投票の普及により、かつての“おじさんの娯楽”というイメージを覆すほどの若返りが進んでいます。YouTubeやSNSでは、馬券配信や予想を発信する「競馬系インフルエンサー」も増え、副収入を得る手段として確実に“注目ジャンル”になっています。

■ 2. 実際に副業として成立させている人たちの存在

競馬で生計を立てている、あるいは副収入を得ている人がいるのは事実です。

・月数万円~十数万円を安定的に稼ぐ「データ派」
・回収率を公開しつつ、有料予想で稼ぐ「競馬予想家」
・YouTubeで予想動画を出し、広告収益で稼ぐインフルエンサー
・競馬ブログやLINEでアフィリエイト収益を得る“情報販売型”副業者


ただし、これらの人たちは“ただ馬券を当てているだけ”ではありません。ほとんどが、競馬を投資対象として捉え、統計分析・資金管理・メンタルコントロールを徹底しています。そして、稼げている人ほど「競馬で稼ぐのは簡単ではない」と口を揃えます。

■ 3. 稼げない人にありがちな思考と罠

副業として競馬に挑戦しても、多くの人が失敗します。
その原因は主に以下の通り:
・「当てよう」として無理に穴馬を狙ってしまう
・予想に感情が入ってしまい、冷静な判断ができない
・取り戻したい一心でベット額を増やしてしまう(いわゆる“熱くなる”)
・自己流を貫き、検証もせず同じ失敗を繰り返す
・競馬場の空気に飲まれて場当たり的に馬券を買う

副業に必要なのは「安定的に収益を得ること」ですが、競馬はむしろその逆の特性を持っており、**“収益を上げにくい仕組み”**になっています。前述の通り、JRAには25%前後の控除率が存在し、これを超える回収率を継続しなければ“収支トントン”にもならないのです。

■ 4. 税金・法律の問題は避けて通れない

たとえ競馬で利益が出たとしても、税金という落とし穴があります。競馬の払戻金は、基本的には「一時所得」として扱われます(※反復継続して行っている場合は雑所得に該当することもあり、曖昧な部分が多い)。

年間の利益が50万円を超える場合は申告義務が生じ、知らずに放置しておくと追徴課税や延滞税のリスクがあります。しかも、外れ馬券は経費として認められないケースもあり、税務上の取扱いは非常にややこしいのが現実です。 つまり、稼ぐことができても「合法的に稼ぎ続けること」が非常に難しいという、まさに副業としての難しさが詰まっています。

■ 5. それでも競馬で副収入を目指すなら

どうしても競馬を副業にしたい場合、以下のようなアプローチが比較的現実的です。

情報発信×競馬の掛け算(=収益化しやすい)

・ブログやSNSで競馬予想を公開し、アクセスを集めて広告収益
・LINE登録による情報販売型アフィリエイト
・YouTubeで予想・結果配信し、再生数で稼ぐ


これは、実際に馬券で勝つよりも“リスクが低く、安定的な副業になりやすい”モデルです。とくに最近では、X(旧Twitter)やTikTokでも競馬垢が急増しており、独自のスタイルでファンをつけている人も少なくありません。

AI予想やロジック自動化の活用 近年では、AIによる馬券予想サービスも台頭しており、ユーザーは自分の予想を補強するツールとして利用できます。また、独自にExcelやPythonを使って予想ロジックを自動化している人もおり、より“投資”に近い形での副業として取り組む層が確実に増えています。

■ 総まとめ:競馬で副業は“可能”だが、“簡単”ではない。

競馬で副業──これは、夢があるようで、現実はかなりシビアです。ただ単に馬券を買って当てて稼ぐというのは、再現性も継続性も低く、いわゆる「副業」の定義からは外れてしまいます。

しかし、“競馬を活用して”副収入を得ることは、情報発信やデータ活用を通じて現実的に実現可能です。言い換えれば、「馬券で勝つこと」にこだわるより、「競馬を軸にどう収益化するか?」を考えた方が、遥かに副業らしい結果につながるのです。

副業としての競馬は、「賭け方」ではなく「関わり方」で決まる。 そして本気で取り組む人にだけ、確かな“副収入の芽”が開く──そんな世界です。